COBOL言語の概要

田中

2024.07.31

61

はじめまして。田中です。

今回は古い言語にはなりますがCOBOL(コボル)言語について紹介させていただきます。

COBOLとは、1959年にアメリカで生まれた事務処理用に開発されたプログラミング言語です。

今は使用している企業が減ってきているのが現状ですが、マイグレーションなどで解読しなければならないことがあるかもしれません。

COBOLの特徴

どんな業務に最適な言語なのか

COBOLは事務処理系の処理を得意としております。

また、基幹システムでも使用されていることもありますが、主に「事務処理用プログラムを効率的に開発できる」ことが最適となります。

人間の言葉に近い文法でプログラムを記述できるため、比較的に習得が容易です。

プログラミング入門として、入りやすい言語となります。


どんなことができるのか

ファイルの読み込みや書き込みが行えます。

また、ファイルに大量のデータを書き込んだり、ソートやマージしてデータを並び替える作業を、高速で処理することが可能です。

さらに事務処理で作成された帳票の出力も行うことができます。

データを10進数で表現できるため、金額や各種データの確認を容易に行うこともできます。

また、COBOLはWindowsやLinux/Unixなど、様々なコンピューターで利用できるため、移植性が極めて高い言語になります。

プログラムの書き方

COBOLは大きく分けて、4つの部で構成されます。それぞれの部には「見出し」があります。

プログラムは「見出し部(IDENTIFICATION DIVISION)」から始まり、「環境部(ENVIRONMENT DIVISION)」、「データ部(DATA DIVISION)」、「手続き部(PROCEDURE DIVISION)」と処理を順に記載していきます。

見出し部以外は省力可能で、部(DIVISION)の中にはいくつかの節(SECTION)や段落があります。


・見出し部(IDENTIFICATION DIVISION)

見出し部はCOBOLプログラムを識別するための部で、見出し部のみ節はありません。

PROGRAM-IDには作成するプログラム名などの情報を記述します。

IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. [プログラム名など].


・環境部(ENVIRONMENT DIVISION)

環境部はプログラムを適用するコンピュータ名や、環境変数などの情報の定義を行う構成節(CONFIGURATION SECTION)と、プログラムファイルを使用する場合に記述する入出力節(INPUT-OUTPUT SECTION)があります。

ENVIRONMENT DIVISION.
CONFIGURATION SECTION.
INPUT-OUTPUT SECTION.
FILE-CONTROL.
SELECT ファイル項目 ASSIGN TO 'ファイル名'


・データ部(DATA DIVISION)

データ部はファイル節(FILE SECTION)、作業場所節(WORKING-STORAGE SECTION)、連絡節(LINKAGE SECTION)、通信節(COMMUNICATION SECTION)などから構成されます。

主にプログラムで使用するデータ項目やファイルのレコードの宣言を行います。

DATA DIVISION.
FILE SECTION.
FD ファイル項目.
01 ファイルレコード.
05 データ項目1 PIC 9(5).
05 データ項目2 PIC X(3).

上記の例では、ファイル節にファイル記述項(FD)とファイルのレコード定義を行っています。


・手続き部(PROCEDURE DIVISION)

手続き部では主に各種処理を宣言したり、実行される手続きやエラーになった場合の処理内容を記述します。

また、STOP文を記述すれば、プログラムを終了させることができます。

PROCEDURE DIVISION.
MAIN SECTION.

実行処理...

STOP RUN.


最後に

以上になります。

古い言語と言われるCOBOLですが、まだ需要はあります。

やってみると意外に簡単に読むことができますし、形式さえ覚えてしまえば処理も容易に記述が可能です。

この機会に一度、触ってみるのはいかがでしょうか。

構成やどのような場面で使われているかの概要のみでしたが、以下のサイトに詳しく書いてあります。


参考:COBOL入門
この記事をシェアする